大変ご無沙汰しております!打ち掛けのテーマがあったのですが、多忙を極めた結果中々更新できずでした。目標達成できず、残念です。。今後もちょくちょく更新していきたいと思います!
今回のテーマは【環境整備と転倒の関係性】についてです!
早速いってみましょう!
高齢者の安全と健康への影響
転倒は高齢者にとって大変重大な問題です。転倒の結果、骨折やその他の深刻な損傷が生じて、その後の生活に大きな影響を与える可能性がありますからね。
転倒予防のアプローチは多岐にわたりますが、その中でも環境整備は重要な役割を果たします。今回は環境整備と転倒の関係性について探求し、高齢者の安全と健康への影響を科学的根拠に基づいて検証していきたいと思います。
背景と問題意識
高齢者の転倒は深刻な医療および社会的問題です。世界保健機関(WHO)によると、65歳以上の高齢者のうち、毎年約30%が少なくとも1回は転倒しているとのことです。皆さん既に実感されていると思いますが、転倒による外傷は死亡率や入院率の増加につながります。小さな子供が転んでしまうのとはわけが違うんですね。高齢者の生活の質を低下させる可能性があるため要注意です。
多くの場合、転倒は個人の身体的能力や健康状態だけでなく、環境要因によって引き起こされることが分かっています。そのため環境整備は、高齢者の住環境を改善し、転倒のリスクを最小限に抑えるための重要な戦略の1つと言えます。
環境整備とは?
環境整備とは、高齢者が安全で快適な生活を送るために、住宅や公共スペースなどの物理的環境を調整する過程のことを指します。具体的には、階段や浴室などの改修、適切な照明の設置、床の滑り止めの追加、スロープの設置などが含まれます。環境整備の目的は、高齢者が自立した生活を維持できるようにすることと捉えられがちですが、実は誰しもが快適に過ごすことと同義と言えます。
環境整備と転倒の関係性
環境整備は、高齢者の転倒リスクを減少させるための効果的な手段として広く認識されています。具体的に以下のような報告があるので、その関係性を確認していきましょう。
1. 階段や浴室の改造
階段や浴室は、高齢者にとって特に転倒の危険が高い場所です。階段の手すりを追加したり、浴室に手すりや床の滑り止めを設置することで、転倒のリスクを軽減できます。米国国立老化研究所(NIA)による研究では、階段に手すりを設置することで転倒リスクが30%から50%低下することが示されています(出典:NIA, 2018)。また、浴室の手すりや床の滑り止めを追加することで、転倒のリスクを最大50%まで低減できるという報告もみられます(出典:WHO, 2016)。
2. 適切な照明の設置
暗い場所や不十分な照明は、高齢者の転倒リスクを高める要因の1つです。米国老化学会(AGS)の研究によると、適切な照明の設置が高齢者の転倒リスクを30%から40%低減させることができると報告されています(出典:AGS, 2017)。実は家の中の段差を解消することよりも、直接的に転倒のリスクを下げる要因となることが明らかにされています(出典:高齢者の転倒予防ガイドライン,2012)。適切な照明を設置することで、高齢者が物や障害物を見逃す可能性を減らし、安全性を確保できます。
3. 床の滑り止めの追加
滑りやすい床は転倒の主な要因の1つです。床に滑り止めを追加することで、高齢者が安全に歩行できる環境を整えることができます。英国公共衛生局(PHE)による研究では、床に滑り止めを追加することで転倒リスクが25%から30%低減することが示されています(出典:PHE, 2019)。特に日本は靴を脱ぐ文化なので、滑って転倒などは多い印象があります(すいません、コチラは私の主観です)。滑らないようにする対策は大切ですね。
結論と介護リフォームの提案
これまで述べてきたように環境整備は高齢者の転倒予防に効果的な戦略であることが科学的に示されています。適切な改造や設備の追加により住環境を安全かつ快適なものにすることができますので、介護リフォームは、高齢者とその家族が安心して生活できる重要な役割を果たすと言えますね。
様々なご利用者とかかわらせて頂いていると、環境的に負荷が高い状態で生活している方をよく見かけます。ご家族など周りの方から提案していくことが、環境整備を推進する上で重要です。高齢者が自立した生活を送るための環境整備は、予防医学の観点からも費用対効果が高いので、介護リフォームへの投資は、将来的な医療費や介護費の削減につながると言えます。高齢者の安全と健康を考える上で、環境整備は重要な視点であり、介護リフォームの提案として積極的に取り入れたいですね。
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参考文献
- National Institute on Aging (NIA). (2018). Falls and Fractures. Retrieved from https://www.nia.nih.gov/health/falls-and-fractures
- World Health Organization (WHO). (2016). Falls. Retrieved from https://www.who.int/news-room/fact-sheets/detail/falls
- American Geriatrics Society (AGS). (2017). Guideline for the Prevention of Falls in Older Persons. Journal of the American Geriatrics Society, 65(6), 1439-1443.
- Public Health England (PHE). (2019). Falls and Fractures Consensus Statement. Retrieved from https://assets.publishing.service.gov.uk/government/uploads/system/uploads/attachment_data/file/829777/Falls_and_fractures_consensus_statement.pdf